27.水門 (1)

 出入り口は床より高い位置に空けられていた。飛び降りるようにして部屋の中に着地した時、イコとヨルダの繋いでいた手が外れる。「あ」と小さく声を上げたイコが再び手を差し出すより早く、ヨルダはすぐ傍にあった階段を駆け下りて行ってしまった。
「ヨルダ?」
 何かあったのだろうかと慌てて後を追いかけようとして、ヨルダが辿り着いた先に居たものに気付いたイコの口許が優しく緩む。
 薄暗く沈んだ景色の中で、浮かび上がるようなふたつの白がある。
 ひとつはもちろん、ヨルダだ。もうひとつは、どこかから入り込んできた白い鳥だった。
 突然駆け寄って来たヨルダに驚いた鳥はいったん飛び上がって距離を取ると、再び部屋の中の石畳の上に降り立った。ヨルダはその場に佇んだまま鳥を眺めていたが、しばらくして再び近寄っては鳥を驚かせ逃げられている。
 微笑ましい光景に目を細めつつ、イコはゆっくりとした足取りで歩き出した。足取りとは反対に視線は忙しく四方に向けられ、ここがどんな部屋なのかと想像を巡らす。
 この部屋も、これまであったいくつもの部屋のように、とにかく広い部屋だった。
 わずかながらも外から差し込む光といくつかの燭台に灯された火が部屋の中を照らしているが、それだけではこの広い部屋の中を隅々まで照らすにはとても足りておらず薄暗い。がらんとした雰囲気と相まって、まるで大きな倉庫のようだ。
 入ってきた出入り口から、左側に数歩進むとすぐ壁があった。反対に右側には広い空間が続いていた。ただし途中で床の高さが変わってしまっているので、部屋の奥へ行くには階段を下りなければならない。階段は出入り口がある側の壁沿いと向かいの壁沿いにだけあり、階段のない、床の高さが変わる境目には手摺が設けられていた。
 イコはヨルダと同じく、すぐ傍――出入り口近く――の階段を下りながら、頭上にも視線を向けた。天井は弓形に丸く反ったアーチ状をしており、この天井がまた恐ろしく高い。普通なら、優に建物三階、四階分の高さになるはずだ。
 階段の壁には、部屋の規模からすると小さなとしか言いようのない四角い穴が空けられていた。その四角い穴は窓というよりむしろ、空気穴のように思える。採光の役目を果たしきれておらず、階段の高さに合わせて穴の位置が変わるわけでもなく一定の高さに四角い穴がふたつ並んでいるだけだから、階段を下りるほどに空けられた穴は遠ざかる。これでは外の景色を眺めることもままならない。また、周囲の壁を見渡しても他に窓や出入り口が空けられているわけでもないから風通しも悪そうだ。
 イコは上を見上げたまま階段を下りると、そのまま足を止めることなく壁沿いに手を付いて進んだ。
 頭上へ向けられた視線は、壁の天井近くの所々で張り出している足場を追っていた。ぐるり、と視線を半周させた先で、向かいの壁から張り出した足場のひとつに掛かった長い梯子がイコの目に飛び込んできた。更に梯子を辿って視線を下げると、梯子はちゃんと床まで伸びている。
 ―― 一度あの梯子を登ってみようかな。
 梯子を見つめたままそんなことを考えていたイコだったが、
「――わ!」
 驚きの声を上げてとっさに壁沿いから飛び退く。
 唐突に手の平で感じていた感触が変わったのだ。訝しげに背後を振り返ったイコは、その正体が重く閉ざされた大きな扉だと知った。閂も鍵穴も見当たらない大きな扉は、部屋が薄暗いこともあり近付いてみなければ壁と同化してしまっていて気付きにくい。
 落ち着いて考えてみれば扉自体は別にあっておかしいものではない――むしろ、イコも入ってきたものとは別の出入り口を探していた――のだが、壁が続いていると思い込んでいたため、予想外に驚いてしまったのだ。
 がらんどうな部屋は小さな音でもよく反響する。思いのほか大きな声を出してしまった自覚があったので、イコが気恥ずかしさを覚えて恐る恐るヨルダの方を見遣ると、少女は相変わらず視線で白い鳥を追いかけていた。ヨルダのその様子に、先ほど上げてしまった悲鳴には気付かれていなかったようだと、イコはほっと胸を撫で下ろした。
 気付かれていて、しかし単に白い鳥への興味の方が勝っているだけかもしれないが。
 そう考えると、鳥よりも優先順位が低いのかと鳥への対抗心が湧き、だからといって何でもないことで驚いてしまった姿を見られたくはないという気持ちもあるから、複雑な心境に陥る。
 ――それにしても……
 イコは、白い鳥を飽きる様子もなく追いかける、鳥と同じくらい――それ以上に白い少女の姿を見つめていた。
 ヨルダは、時には重要な仕掛けや、新たな道を指し示してくれる。それができるくらい、この霧のお城を知っているようだった。
 それは当然のことなのだろうと思う。漆黒を纏った女王は、ヨルダを「娘」と言っていた。いずれ、この霧のお城を継ぐのだ、とも。だからきっと、ヨルダがこの霧のお城のことをたくさん知っているのはおかしくないのだ。
 しかし、鳥を追いかける姿は、ともすれば自分より幼い者を見ている気にさせる。少女の姿は、少年よりずっと大人びているのに、だ。
 ヨルダは、霧のお城の後継者だと言うのに――それとも、後継者であるためか――閉じ込められていた。そのせいだろうか、もしかしたら鳥を――霧のお城の外に属するものを間近で見ることはほとんどなかったのかもしれない。
 ――だから。
 だから、と思いを馳せる。
 だから、一緒に城の外へ出たらヨルダはきっと目を回してしまうに違いない。
 それとも、たくさんのものに目を奪われて、一歩も動けなくなってしまうのだろうか。
 その時のことを考えると、イコの口許が自然と緩む。
「よし! がんばるぞ!」
 先程よりもずっと大きな声に、ヨルダもさすがに驚いたのかイコを振り返った。何か失敗をしたわけではないのだが、しっかり視線がかち合うと気恥ずかしく、イコは誤魔化すように照れ笑いを浮かべた。



 イコは長い梯子を登っていた。あれから調べてみたが、部屋の中――少なくとも床の上を走って至ることができる範囲内に、扉を開くような仕掛けはなかった。もちろん、扉は押しても引いてもぴくりとも動かない。
 梯子以外に見つけたものと言えば、柵に覆われた奇妙な一角だけだった。
 部屋の奥――扉がある側の壁の片隅が柵に覆われていたのだ。柵は、天井近くに張り出している壁まで続いていた。部屋の壁と柵に囲まれ完全に隔てられているその中には、大型の暖炉のように四角く張り出している壁と、その隣に動きを止めた大きな歯車があった。四角く張り出した一角の正面、柵の手前の床には四角い台がある。幾度となく城で見かけ何度も足場にしてきた取っ手付きの木箱より一回り小さく、イコひとりがやっと立てる程度の面積しかない台は、どうやら床に置かれているものではなく、むしろ床の下から伸びているようだった。
 ――下になにもないなら、上。
 すぐにそう結論付け、イコは迷わず梯子に手を掛けたのだった。
 梯子の途中から、殊更、視線を下に向けることを極力避けて梯子を登る。
 梯子を登りきり、狭いとはいえ踏み締められる地面と、寄りかかることができる壁の存在に、イコは、ようやく、といった感で人心地つくことができた。
 落ち着いたところで、まずは周囲を眺める。
 真っ先に視線を向け易いのは、正面向かいの扉がある側の壁だ。順に見ていこうかと、イコは柵で囲まれた一角から反時計回りにゆっくり視界を移動させていく。すると、下からでは気付かなかった色々なこと気が付いた。
 まず、柵の上。
 壁から張り出した足場が小部屋のような空間を作っている。そこの壁にも四角く切り取られたような穴が空けられており、眩い光が差し込んでいた。遠目に見ても窓と言うには大きすぎるように思える。
 ――あそこから外に出られるかな。
 イコは天井近くに点々と存在する足場が皆、同じくらいの高さにあることに気付いていた。もしかしたら今は大部分が崩れ落ちてしまっただけで、昔はひと繋がりの通路だったのかもしれない、と考える。
 点在する足場と足場を繋ぐようにパイプが延びているので、パイプを伝えば別の足場へ渡ることができそうだった。だったらパイプを伝って進めば柵の上に行けるだろうかとも思ったが、すぐにそれは無理そうだと結論付けざるをえなくなる。柵に囲まれた一角だけは、そこに至る前にパイプが途切れてしまい、完全に孤立してしまっていたからだ。
 更にパイプを辿って視線を右へと流していくと、入ってきた出入り口のほぼ真上にも壁から張り出した足場があった。入ってきた時には気付かなかったが、その足場にも梯子が掛けられていた。しかし気づかなかったのは仕方ないだろう。梯子は床まで届くことなく、出入り口よりも高い位置までしか延びていない。そこから下へ飛び降りる分には可能だろうが、下から梯子に飛びつこうにも不可能な高さだった。
 その、途中で途切れた梯子の掛かかっている足場の壁に、レバーが設置されていた。
 ようやく見付けた仕掛けにイコの瞳が輝く。
 ――きっと、あれで扉をひらくんだ!
 幸い、レバーのある足場まではパイプで繋がっている。
 イコは早速、手近のパイプに飛びつくと、パイプを伝って進み始めた。次の足場まで腕の力だけで進まなければならない。足は宙に浮いたまま腕の力だけで進む、ということは何度かあったが、そういう時は大抵手を離してしまった場合の事は考えたくないような高さにいるから、たいしたことのない距離でも果てしないものに感じる。
 今も、下にいるヨルダがとても小さく見えてしまう高さだ。例え地面が見えていようと、この高さから落ちてしまった場合のことなど考えたくないことに変わりはない。しかも渡らなければいけない距離は、これまでで一番長いだろう。イコは、ともすれば手の平の冷や汗で滑ってしまいそうになるのを堪え、着実に進んで行った。
 一度、部屋の角の足場で掴まるパイプを替えて、ようやくレバーの前まで辿り着いた時には膝が砕けそうになっていた。
 深呼吸を繰り返し、しっかり足元を踏み締められることを確認してから、少年の手がレバーを握った。
「――えいっ」
 小さな掛け声と共にレバーが動かされる。
 イコが期待に満ちた目を扉へ向けるより早く――
 ――ガタンッ、ゴトンッ。
 予想とは違う規則的な機械音が、変わらず薄暗いままの部屋に響き渡る。
「……あれ?」
 一瞬呆気にとられた後、レバーは扉を開く仕掛けではなかったことにイコがようやく思い至ったのは、ガタンゴトンと繰り返される音に混じって、ドンッ、と一際大きな音が聞こえた時だった。
 ――これ、なんの音だろう?
 不思議に思って音の聞こえてくる方向へ目を向ける。
 ガタンッ、ゴトンッ、と繰り返される音の発生源は柵に囲まれた一角だった。
 遠目に見てもはっきり認められるほど大きな歯車が、今やゆっくりと回っている。動いていたのは歯車だけでなく、柵の手前にあった小さな台は、突如弾かれるように床から突き出されて短い柱のようになったかと思うと、一拍置いて床に沈み始め元の通りの小さな台のような外見になり――しばらくして再び突き出される、という動作を繰り返していた。
 ――……なに、あれ?
 イコは見慣れない動作を繰り返す短い柱を呆然と見遣っていたが、はっと我に返り、
「……とりあえずおりよう……」
 この場に留まっていても仕方ないからと、すぐ傍にある梯子を降り始めた。何より、始めて見る仕掛けをもっと近くで見てみたいと言う好奇心がある。
 梯子は空中で途切れているので途中で飛び降りなければならない。梯子の途切れた先から地面の床までは誰もが高いと言うだけの距離が開いているが、イコならば充分余裕を持って降りられる距離である。
 念のために着地場所を確認しようと梯子に掴まったまま床を見下ろすイコの視界に、薄闇に浮かび上がる真白が飛び込んできた。
「ヨルダ?」
 鳥を見ていると思っていたが、どうやらパイプを渡るイコに付いて来ていたようだ。
 見上げてくる瞳が不安に揺れて見えるのは、きっと気のせいではないだろう。
 ――しんぱい、してくれたんだ。
 心配させることはしたくないが、思っていてもらえることはやはり嬉しい。イコは自然と浮かんだ笑みを隠すことなく、下で待つヨルダに手を振った。
 そうしてから梯子を掴んでいた手を放した。当然、空中に投げ出された身体は下に向かって落ちていくが、途中で体勢を崩すこともなくイコは無事に石床の上に降り立った。
「ヨルダ!」
 着地するや否や真っ先にヨルダに駆け寄り、少女の手を取る。そのまま白い腕を引いて、今も上下に運動を繰り返す柱へ向かった。
「あれ、もっと近付いてみてみようよ」
 少年にとって、見慣れない大掛かりな仕掛けは珍しい玩具に似たところがある。イコはわくわくした様子を隠そうともせず、ただ、ヨルダの華奢な腕を強く引きすぎてしまわないようにだけ気を付け、逸る気持ちを抑えて、あくまで歩いて――それでも心持ち普段よりも早歩きで――柱と歯車がある一角へ急いだ。途中でイコが「あれってなんのしかけかわかる?」とヨルダに尋ねてみたが、そもそも言葉が通じないためヨルダは質問の意図がわかっていないようだった。ただ、イコが指し示した先を追って柱の存在に目を留めると、ヨルダは小さく頷いて見せた。
 たったそれだけの行為だったが、少なくとも悪いものではないと――興味を持っても悪くないものなのだとイコは漠然と理解する。そのことに力付けられたのだろうか、足取りが更に軽くなったような気がした。
 近付けば近付くほど歯車と柱の音は大きくなる。
 特に、一定の間隔を空けて上に向かって突き出される柱は、間近で見ると余計に突き出される速度が速く感じる。
 感心した様子で上下に動き続ける柱を見ていたイコだったが、これは一体何のための仕掛けなのか、まったく想像がつかない。
「うーん……そうだ! ヨルダ、あぶないからちょっとはなれてて!」
 間近で見つめているだけなのにも飽きてきた頃、イコは何か思いついた様子で声を上げると、ヨルダを柱から数歩離れたところまで連れて行った。そして、うずうずとした様子で柱のすぐ傍まで駆け戻る。新しい遊びを実践する直前のように目を輝かせ――
「――えいっ」
 柱が完全に沈みこんで動きが止まった瞬間を見逃さず、イコはあっという間に柱に登り上がった。
「よし、のれ――っ!」
 立ち上がる暇もあらばこそ、勢いよく下から突き上げられる衝撃に、ガチン、と歯と歯がぶつかる固い音を立てて強制的に口が閉ざされる。危うく舌を噛みそうになりながら何とかそれだけは防ぐことができたと安堵したのとほぼ同時に、少年の身体が一瞬、宙に浮いた。それは本当に一瞬のことで、すぐに足元の柱の上に着地する。一拍置いて、柱は突き上がった時の勢いが嘘のようにゆっくりと沈んでいった。
 沈みきった柱の動きが止まったところでイコは、ほう、と安堵の息を吐いた。それから一度大きく深呼吸をして息を整える。舌を思い切り噛みそうになった反動で、思わず口許を両手でしっかり押さえてしまったので少し息苦しくなっていたのだ。
 その後もしばらく、柱の上に乗ったまま数回上下に揺られていた。一瞬だけ宙に浮いた身体が着地した瞬間足を踏み外さないよう、柱が沈みきって動きが止まる僅かな時間の間に、多少端にずれてしまった立ち位置の微調整だけ繰り返す。
 結局、柱の上に乗ったところで何も変わらなかったし新たな発見もなかったが、勢いよく突き上げられ放られそうになる感覚は中々に楽しかった、と満足感を覚えたイコが柱の上から降りようとした、その時だった。
 偶然、イコが足元を蹴って飛び降りようとした一瞬と、柱が突き上がる一瞬が一致した。
 足元を軽く蹴っただけのはずの身体が、軽々と、文字通りに宙を舞う。
「――ぅえっ?」
 状況を理解できず、目を丸くするイコの口から出たのは、何とも間の抜けた声だけだった。
 放られたイコの身体は、突き上がった柱の先より更に高い位置まで達したところで落下を始めた。イコが柱の外側に向かって足を蹴りだしていたこともあり、放物線を描いて落ちて行く先はもちろん石床の上だ。
 ここに至ってようやく状況を把握したイコは慌てて体勢を立て直そうとした。しかし僅かに遅く、石床に激突する瞬間、辛うじて受身を取るだけで精一杯だった。
 叩きつけられる痛みを、歯を食いしばって耐える。
「……いったぁ……」
 イコはゆっくり身体を起こし、特に大きな怪我をしていないことを確認すると、変な体勢で落ちてしまった割に痛いだけですんで良かった、と胸を撫で下ろした。
 ――あぁ、おどろいた。まさかあんなにたかくとばされるなんて……
 そこまで思い返したところで、イコは俯き加減だった顔を勢いよく上げると柱に向かって駆け出した。
 近付いてきていたヨルダには「だいじょうぶだよ!」と走りながら腕を回して見せ、無事であることを伝える。
 上下に動き続ける柱が沈みきるのを待ち、再びその上によじ登った。
 ――柱が突き出される勢いを利用すれば、柵の上に飛び移ることができるかもしれない。
 そう考えたのだ。
 しかし、そこからが大変だった。
 どうしても柱が突き出す瞬間と跳躍する瞬間を合わせられず、柱の上でただ跳ねているだけに終わってしまったことが何度もあった。辛うじて合わせられたかと思えば、やはり微妙に合っていなかったせいか、それとも踏み込みが浅かったのか、高く上っていく目線が柵を越える前に失速し落下してしまう。
 ようやく成功したのは、半ば自棄になってとにかく柱の上で飛び跳ねていた時だ。
 踏み込み、上に向かって跳んだ瞬間、自分以外の力が一際強く加わる感覚があった。
 ――やった!
 そう思った瞬間には身体が軽々と宙に舞っていた。
 目前の柵だらけの視界が晴れ、下からでは気付きにくい外からの白光が目に映った――かと思うと、刹那の時間を置いて宙に舞った身体は落下し始める。イコは慌てて柵の上の足場にしがみついた。
 足場に上りながら、恐る恐る下へ視線を向けると、下で待つヨルダがとても小さく見えた。
 動き続ける柱も、完全に突き上がった瞬間でさえその先からここまで飛べたことが嘘のように遠い。
 これでは後戻りはできないだろう。
 けれど、部屋の中に扉を開く仕掛けはなかった。ならば、部屋の外にあるはずだという確信がある。
 下で待つ少女に大きく手を振って見せ、イコは出入り口を潜って外へと出た。




next

ICO room