……いやー、何と申しましょうか。
今回、アケロン星人のクローンがが出るということで(次回予告より)、伝通院先生大活躍の予感とか思っていたのに。
伝通院先生、欠片も出てきませんでしたよ。
(アケロン星人といえば伝通院先生でしょう……!)
ちょっと気落ちしつつ(したのか)、今回のグランセイザーレビューです。
始まりは国防省の格納庫です。何やら真っ赤に塗ったくったガ●ダムに出てきそうなモビ●スーツもどきを製造中のご様子。
これが前回の次回予告で語られていたセイザー支援ロボなのでしょう。
開発者に確実にガンダ●ファンが居るものと思われます。
さて、その頃だかそれより日にちが経ってからなのかわかりませんが、深夜、人通りの少ない路地を逃げる女性とそれを追う怪しい影に場面が変わります。
何だかどこかで見たことのある形状の不審人物(っていうか確実に宇宙人)です。
逃げる女性がとうとう追い詰められ、あわやという所で、バイクで偶然通りかかる天馬。
不審人物はどこかで見たようなハゼっぽい顔を天馬に向けます。
天馬「宇宙人!?」
いやそこツッコミ所と違うし。
っていうかどう見てもアケロン星人だろう……!
たとえ視聴者の多くが忘れていても、仮にも命のやり取りをした相手が何故出てこないのか。
さて、相手が宇宙人と分かったら容赦がないのがグランセイザーです。前回、基本的にグランセイザーの事は秘密にしておくよう言われていたことが明らかになりましたが、天馬は目撃者(追われていた女性)が居ることをまったく意に介さず変身しました。
そして、現れた青いアケロン星人を追い払います。倒したのではなく追い払います。(腑に落ちない)
その後、助けた女性に宇宙人がアケロン星人だと教えられ、「なんだって!?」と驚く天馬。
いや、だから……
あの顔といい、攻撃方法といいどうみてもアケロン星人だろ。
天馬は女性を連れて堀口博士の研究室へ。未加に怪我の治療をしてもらった女性は栞と名乗り、助けてもらったこと、治療をしてもらったことの御礼は言いますが何故狙われていたのかまでは話そうとしません。
天馬がグランセイザーであることを打ち明けても事情を話そうとしません。
その頃、国防省の例のモビ●スーツもどきの前では御園木課長と同じ国防省の同僚らしいおじさんがモビルスー●もどきについて話しています。
このモビル●ーツもどき、正式名称は五色支援機士 ユウヒと言うらしく、セイザー達のサポートのためにダイロギアンを参考に製造したそうです。
ダイロギアンを参考に。
ああなるほど、つまりダイロギアンにハリボテを被せたと理解してOK?
いやだって、いくら参考にしたからって、セイザー世界の科学レベルは良く分からないけど少なくとも宇宙船すらない文明レベルでダイロギアンの性能をいくらかでも解明できることも、あまつさえそれを基にして何かを製造できてしまうことも腑に落ちない……。
……と、思ったりしましたが、でもよくよく考えてみればロギアはガントラスの操縦桿を直す為に地球人の力を借りたわけだし、インパクター星人の科学力ってしょせんそんなもんか?
一応そんなとんでもない(参考元が)巨大ロボでも、セイザーの支援以外に使用しないよう上司に直談判したらしい御園木課長。同僚から「お前がユウヒを私物化しようとしているという噂も出てるぞ」と忠告を受けます。
さらにその後、部下の沖田からその同僚の最近動向が怪しい(同僚が管理する科学センターで秘密裏の実験が行われているらしい)との報告を受けますが、「大学の同期だからあいつの事は分かっている。大丈夫だ」と聞いてる方からすれば根拠レス発言をかましてくれます御園木課長。
一夜明け、結局堀口博士の研究室で一晩過ごしたらしい栞と、護衛のために同じく研究室に宿泊したと思しき未加、天馬、そして研究室の主堀口博士。
栞をどうするかという相談をしていましたが、ぶっちゃけ、破壊活動以外には不向きなのがグランセイザー。とにかく国防省の御園木課長に栞の身元を預けようとしますが、その名前を聞いて栞はいきなり逃げ出してしまいました。
追いかけた天馬が外の雑木林で栞に追いつき事情を聞くと、何と、栞は国防省でアケロン星人のクローンを作らされていたというではないですか。
え、なんですか。
伝通院先生に対する抑止力目当てとか?(真顔)
……と、思っていたら(思うな)、ただ単に当初は宇宙人の生態解明のための実験が、いつしか「宇宙人のクローンを作ってそれを生体へ機として利用」という名目に変わっていただけのことでした。(だけとか言うな)
それが恐ろしくなって逃げ出したところ、追っ手として差し向けられたアケロン星人クローンに襲われており、だから国防省の名前を聞いて逃げ出した、と。
しかし天馬は御園木課長はそんなことを容認する人ではないと説得します。
ホントはそういう人だったわけですが(御園木課長)、カリンにこんてんぱんにのされて改心してますからね。
それでも不安そうな栞に、たとえ国防省がそんなことを考えていても自分が必ず栞を守ると前回の剣のセリフをパクリ気味です。
そんな二人にアケロン星人クローンが襲い掛かります。天馬は栞を逃がし駆けつけた未加とともにアケロン星人クローンを撃破しますが、栞は逃げている途中、追っ手の黒服に捕まり連れ去られてしまいました。
そら、アケロン星人クローンだけじゃ目立ってしょうがないから、人間の追っ手もいておかしくないですよなー。(生温い笑み)
連絡を受けてやってきた沖田はすぐに御園木課長と連絡を取り、御園木課長が件の部長(同期の桜)の元へ向かったことを天馬たちに伝えます。
しかし行動型主人公の天馬はすぐにでも栞を取り戻しに国防省の科学センター(だったと思う)に乗り込みそうな勢いです。っていうかむしろこうなったからには人間相手でも変身して戦いそうです。(セイザーなだけに洒落にならない)
そんな天馬を押しとどめる沖田。
沖田は言います。自分は人々を守りたくて自ら志願して国防省に入ったが、天馬たちは自分で望んでセイザーになったわけでない。ただでさえ宇宙人相手はセイザーに頼るしかないのだから、今回の国防省の不祥事にまで巻き込みたくない、と。
そうだよな、強制的にセイザーとして目覚めたりしちゃったから、どうにも加減が分からずダムを破壊したり港を壊滅させたりしちゃうんだよな。
まあ、堀口博士のほうから、今は自分たちの意思で地球を守りたいと思ってみんな戦っているんだ、みたいなフォローは入りましたが。
これまでを振り返ると、基本的にみんな世界の平和より自分たちの日常最優先な気もしますが。
その頃、御園木課長は同期の部長の元を訪れます。そしてはっきりきっぱり単刀直入にアケロン星人のクローンを作っているというのは本当か尋ねます。
そして部長もそれをあっさり認めます。
っていうか、認めちゃうのか!
アケロン星人クローン製造計画は上にも通してない、部長が勝手に始めたことのようですが、いくら何でも厳罰ものじゃないんですか?(貴方のほうこそ組織を私物化……)
もっとも部長さんの方は「これは地球のためにやっていることなんだから文句を言われる筋合いはない」という考えのようです。
しかしそれも、宇宙人を甘く見ると危険だと忠告&抗議する御園木課長(甘く見て痛い目にあった経験者)に対し「俺に追い抜かされてそんなに悔しいか」というようなことを言っちゃうようなお人では、どう贔屓目に見ても地球(日本)の平和より御園木課長に対する対抗心が計画理由としか見えません。
なんだってこう、宇宙人に対する考え方の甘い人ばっかりなんだ国防省。
追い討ちをかけるように、アケロン星人クローン2号が制御を失って暴れ出したと報告が入ります。
そもそも栞を追っていたのは、彼女がこの件に関っていた科学者である以上に、アケロン星人を不死身にしてしまうだけのエネルギーを秘めた水晶を栞が持ち出して逃げたことが原因でした。とっ捕まえた栞からその水晶も取り戻し、早速その水晶を使ってアケロン星人クローンを完成させようとしていたわけですね。で、失敗したと。
セイザー達といい、国防省といい――
宇宙人より地球人の方がよっぽど地球に対して直接的被害をもたらしている現実が、妙に生々しくて痛々しいー。(生温い微笑)
……うおふ・まなふ の皆さんが出張らなくても、ちょっと宇宙人に対する警戒の種をまくだけで自滅しそうですな、地球人。
もちろん、暴れ出したアケロン星人クローン2号を捕獲(もしくは処理)するため総出で対処に当たる部長直属と思われる国防省特殊部隊のみなさん。
堀口博士の研究室に居た沖田も(恐らく御園木課長から連絡を受け)科学センターへ急ぎます。当然のごとく天馬と未加も同行。
……相手がかつて倒した敵のクローンなせいでそれほど危機感を抱いていないのか他のトライブに連絡しようとする気配すらありません。
――まあ、あえて呼ばない理由付けをしてみますと。
剣は学校があるでしょうし。
神谷はきっと科学センターが彼の管轄区域外なのでしょう。
100歩譲って、仁は仕事の締め切りが大変ということにしていいです。(何せ、本編でネタ振りされるだけされて、その後テレビでは語られることもフォローもなくパリコレにデザインが間に合わなかった模様だし)
魚住もまあ、本来看護士というのはそうそう暇のできる職業のはずがないので、これも仕方ない、と。
伝通院先生には言わずもがなでしょう。
しかしどう考えても、暇を持て余してそうな人々は居るわけで。
第3部になっても協調性は相変わらずか、グランセイザー……。
捕まった後、軟禁状態だった栞も、アケロン星人クローン2号の騒ぎのドサクサに紛れ軟禁場所から逃げ出します。
一方、特殊部隊がアケロン星人クローン2号と対峙している様子をわざわざ見学に来た国防省の課長・部長コンビの目の前で、特殊部隊は(多少粘りつつも)ばったばったと薙ぎ倒されます。
ただでさえ地球の通常武器が効かない上、エネルギーを与えてくれる水晶まであるものだからとっても元気なクローン2号。
特殊部隊が次々と倒されていく中、「ほらみろ、言わんこっちゃない」とばかりの御園木課長に対し部長は「いいや、水晶を取り戻し、クローンを捕獲して原因を解明すれば」と薙ぎ倒される特殊部隊が見えていないご様子です。
――特殊部隊の人たちも大変ですなぁ……(上司がアレで)
その時、特殊部隊の攻撃により、クローン2号はうっかり手にした水晶を落としてしまいます。そこに駆けつけたのが、(逃げる途中か、最初から向かう予定だったのか)立ち寄った実験室の様子からクローン2号が水晶をゲットしたことを察した栞でした。転がっている水晶をこれ幸いとばかりに奪取し、クローン2号に渡すまいとする栞と、水晶を取り返そうとするクローン2号。
栞を気にすることなく一斉に銃をクローン2号に向ける特殊部隊員たち。
むしろ栞ごと殺る気まんまんですか、貴方ら。
そしてそれを止める様子のない御園木課長。
……課長……!(止めたれや)
そんな、このまま「多少の犠牲は仕方ない」理論で栞が死ぬなんて子ども番組らしくない展開をする気か、ただでさえ子ども番組と言い難いのに、とはらはらしつつ見守っておりますと、そこに颯爽と天馬と未加が現れ、栞の窮地を救います。(最初は特殊部隊の窮地だったはずなのに)
そして、自らの手で敵を蘇らせてしまった地球の運命はみたいなナレーションが流れて次回に続きます。
……まあ、確かに自分たちの手で敵を蘇らせてしまったのは現代地球人のミスですが、現在において侵略に来る宇宙人よりよほど被害をばら撒いているのが超古代文明が生み出したグランセイザーなわけで。
ひょっとして超古代文明が滅びたのって宇宙人の侵略のせいではなく、自滅なだけだったんじゃ……?
そんな疑惑を抱かせる、うららかな春のある日でございました。