えー、今回は俗に言う『総集編』という奴だったわけですが。(新しい敵の顔見せもありましたが)
総集編なのにこのツッコミどころの多さはなんだろう……!(戦慄)
――『総集編』それはこれまであった出来事をかいつまんで伝えるものであって、そこに事実の捏造とかがあってはいけないもののはずです。
で、見た結果。
かなりグランセイザー達に都合よく物事が変換されております。
……果たして突っ込みきれるか分かりませんが、頑張って今回のレビューに行きたいと思います。
インパクター星人も撃退し、訪れた平和を楽しむセイザー達。
楽しみすぎているのか、剣は堀口博士の研究室で雑誌(漫画?)を爆笑して読んでいます。
……大丈夫か、キミ……
――し、しばらく見ない間にもの凄く性格が変わってしまったように見受けられます。いえ、まあ、グランセイザーなんだから何を今更と言う気もしますが。
いやでもホント心配になってくる弾けっぷりです。何があったんだろうか……
しょっぱなから呆然とさせられる中、弟のけたたましい笑い声が癇に障ったのか、未加が雑誌を没収。その時、勢いよく研究室に駆け込んできた天馬に、すわ事件か、と研究室に居たメンバー(未加、剣、堀口博士)の視線が集中しますが、天馬の方こそ変わった事を求めて研究室を訪れただけでした。
仕事中ではないのでしょうか。っていうかすっかりグランセイザーの生活に毒されて……!(憐憫)
「アンポンタン、平和が一番だ」と博士にお叱りを受け、しかし何だかんだと平和ゆえに暇を持て余していた4人はいつしかお茶を囲って過去話に花を咲かせ始めます。
日曜なら剣は学校がありませんし、博士が自主的に大学の研究室に篭っていることは良いのでしょうが、天馬、仕事は?
話は1話が始まった時点ですでに覚醒済みだった未加の覚醒きっかけ話。
その話は、博士が水晶板を調べている最中後ろから覗き込んでそれが何か質問してくる未加に返答しつつ、未加の胸が当たっていることを博士が気にしていることに気付いた未加が思わず博士にツッコミを入れたら勢い余って水晶板が机から落ちそうになり、未加が慌てて手を伸ばしてあわやという所でキャッチすると、未加が触れたことにより水晶板から超古代文明の情報が流れ込んできて、それがきっかけで未加はグランセイザーとして覚醒した、と。
ちなみにこの話のツッコミ所は堀口博士がヅラだったのひと言に尽きます。
なんか不自然に髪の毛があるなー、と思っていたら水晶板が未加に反応した時の衝撃で吹っ飛ぶ髪の毛。
グランセイザーのスタッフは一体ドコを目指しているのでしょうか……(ヅラって……)
ヅラが吹き飛んだという周囲の人間にとっては楽しいけれど博士にとってはビターでしかない思い出がひと段落したところで(っていうかそもそもは未加の変身話)、一人の女性が堀口博士を訪ねてきました。しかも、まだヅラが取れていなかった頃の知り合いらしく、博士に髪がないことを驚いています。
結局、博士と土方というらしいその女性は二人連れ立って研究室の外の林へ。どうやら堀口博士は土方女史に気があるらしく、久々の再会らしいのにいきなり「ところで君はまだ独身かね……」と相手がフリーか確かめ出す始末。そしてその質問をあっさりスルーされる博士。
会話から推測するに、一緒に水晶板を発見した宇宙考古学者仲間であるらしく、土方女史は水晶版の謎を解き明かしたんですね、と訊いてきますが解読できた理由が理由なので口ごもる堀口博士。幸い、土方女史は国防省の機密ゆえ大っぴらに話せないのだと誤解してくれた模様です。
しかし、水晶版はないはずなのにやたらグランセイザーや超古代文明に詳しい土方女史。訝しむ堀口博士に彼女は突然、
土方「あなたの研究の成果を……グランセイザーを放棄して欲しいの」
――と言い出します。
さてはこの方、宇宙人の被害よりグランセイザーの被害の方が大きめという事実に気付いたのでしょうか!
果たしてこの後、なんと続けて博士を説得するのか……しかし無常にも場面は博士と女史を研究室の窓から出歯亀している天馬達に移ってしまいました。
会話まで聞こえないので、博士と女史が良い雰囲気だと誤解中の炎のトライブ3人組。恋愛話が大好きそうな未加は剣に間近での偵察を命じ、剣もノリノリでその任務を遂行しようとしますが、意外なことに天馬が制止をかけました。
そして危うく忘れるところでしたが、今回は総集編。再び回想シーンが始まります。
今度は天馬の覚醒(1話)を振り返り、更に風のトライブにはえらい目に合わされたよなーと回想した所で、間の悪いことに仁が現れました。
一応、博士にオーダーされたジャケットを持ってきたという名目ですが、何せ仁は前科持ち。(伝通院にジャケットのプレゼントと言いつつ実は頼み込んで買わせていた)おそらく博士も「買ってくれ」と頼まれて買ったのでしょうな……
さて、ちょうど風のトライブにひどい目に合わされていた時の事を思い出していたため、非友好的な様子の炎のトライブ3人組に、仁の方もカリンに騙されていたんだから仕方ないじゃないかと必死に責任転換。(あんまり手元のジャケット握り締めちゃならんと思いますが)
しかし確か彼は女の色香に惑ってセイザーになったようなものだと(他の方々の感想で)拝見しました。そういう理由である時点で弁明の余地なし。
そしてこから風のトライブサイドの回想に入ります。
噂のダム破壊とか横浜港壊滅はバッチリ省略されていました。
あー、伝通院先生の見知らぬ必殺技らしきもの、なんで現在使われてないんでしょうね?(訊くな)
更に回想は進み、うっかり「ドルクルスの操縦は俺が一番上手いよなー」とガルーダに乗った剣をのしていた時の事を思い出した仁は危うく未加の思い出し怒りの鉄拳にさらされそうになりますが、天馬と剣によって間一髪ブレイクタイム突入。
「カリンに騙されてたんだよ!」とどこまでも自分の無実を主張する仁。
そこから松坂直人登場の頃の回想開始。
松坂、当初は思いっきりカリンに騙されていたようです。……まあ、女の色香に弱い奴だしな。
「カリンの言葉には説得力があったんだもん」とふてくされる仁ですが本当にそれほどまでに説得力があったのかぜひ一度聞いてみたい気もします。(10話以前を見たことがないので。……DVD借りるべき……?)
するとまたもやタイミング良く、「お前(仁)も直人も単純だから騙されるんだぞ」と今度は神谷が現れます。曰く「パトロール中だけど寄ってみた」。
税金泥棒か、アンタ。(働けよ)
というか、単純さにかけて神谷に言われる筋合いはないのではとか思っていたら、その辺はちゃんと天馬と仁が突っ込みを入れてくれてました。
んで、大地のトライブの回想シーンが始まるわけですが(ガンシーサー起動)、絶対本当はもっとアレだよなと思うんですが、やはり詳細を知るにはレンタルすべきー……?
さてさて、次はようやく私にも確実に内容の分かるカリン(アケロン星人)に対する回想です。
仁などは「あいつ(カリン)洸(伝通院)を騙し続けて……おかげで酷い目にあったぜ」と言い、その辺のシーンなども流れていたわけですが。
その伝通院が(いかに騙されていたとはいえ)カリンに対し「グランセイザーと関係ない場所に逃げましょう」だの「地球より貴女の命の方が大事」だの告白しまくりあまつさえカリンと実はいつのまにか相思相愛だったのにも関らず、カリンの正体を知った途端手のひら180度返しカリンを自分の手で倒した。(ちなみに告白と正体の露見は同じ回)
あまつさえその後もしばらくカリンの事を引きずっていくせに、大星獣となった状態のカリンから求愛を受けてそれをあっさり突っぱねた。(突っぱねたシーン自体は思い出されてましたがその前フリが省略されてた)
――という重要な部分がいっそ清々しいほど削除されてます、セイザー達の記憶から。
ちなみに天馬はカリンが巨大化する原因ともなった宇宙連合のものと思しき宇宙船を普通の体当たりで情緒も何もなくあっさり破壊したというのに、まるでカリンを倒した後最後の大詰めで宇宙船を倒したように表現されています。
嘘だ、違う! 宇宙船はカリンを回復させちゃうから天馬が先にさっさと倒しただけなのに……!
編集した人、時系列はきちんと守っていただきたい……!
まあ、とにかく。
カリンの事件で炎、風、大地のトライブが揃ったんだよなー、皆で力を合わせることができたから宇宙連合の攻撃を退けられたんだよなー、という結論に達したところでようやく博士たちにカメラが戻ります。
どうやら林の中を散歩しつつ、平然とグランセイザーだの宇宙連合(なんだろ、うおふまなふ?←発音)だのと会話をしています。
そして土方女史がグランセイザーを放棄しろといった理由は、別段グランセイザーによってもたらされる被害を重く見たわけではなく(いや、ある意味そうか?)、
宇宙連合(曰く宇宙の知的生命体が集まった連合)は単にグランセイザーが危険だから排除しようと地球にやってきているだけであって、グランセイザーがいる限り地球が危険にさらされる。
――という意見のようです。
いや、まあ、例えばグランセイザーが作られたのは宇宙連合に攻め込まれたからだという現実を無視している点を見逃したとしてもですね。
前回、ロギアが『人類抹殺計画』ってはっきりきっぱりおっしゃっちゃってるんですよ。
いやあ、土方女史ざんねーん。いくらなんでもその説じゃ説得は無理ですよー。
……と、思っていたら。
堀口博士「しかし……インパクターは太陽系をも破壊しようとした」
土方女史「彼らはプライドが高く融通が利かない……典型的な軍人。太陽系ごとグランセイザーを抹殺しようとしたのよ!」
堀口博士「――土方君、君は何故言い切れるんだ?」
いやだから博士、あんたロギアの『人類抹殺計画』発言の場に居合わせてただろ……! ツッコミ所はそこ(「何で言い切れる」)じゃないだろ……!
そして恋愛沙汰で人類抹殺をすすめる(あまつさえ恋敵の上官の命令は極力無視の)輩のどこが典型的軍人か……
――落ち着きましょう。
なぜ堀口女史はそんなことを言い切れるのか――彼女は、「堀口さんに水晶板があるなら私にだって資料がある」と爆弾発言。
なんだ、ひょっとしてまた新たなセイザー仲間ができたりするんじゃなかろうな、と思いつつ動向を見守るっていると、他の資料という内容に反応した堀口博士がそれはどんなものなんだ、と詰め寄ります。
そろそろちみっこでも気付いているであろう、土方女史の不穏さにまったく気付かない……というか新たな資料にすっかりこころ奪われているご様子。(これだから科学者はー……)
しかし土方女史は、「水晶板を独り占めして、学会にも発表せず国防省に売りつけた人に教える気はない」(意訳&簡略)と突っぱねます。
その土方女史の弁に対し、「学会に発表しなかったのではなく誰も信じてくれなかった」「援助してくれた人が国防省の課長(←微妙なライン)とは知らなかった」(意訳)と反論。
そうですね、むしろそんな話(超古代文明とか)をあっさり信じる方が変。人型の絵を見て巨大ロボに見えるとか言われた日にはどう反応すれば良いのやら。
そこで再び画面は天馬達に戻ります。
今度は未加に借りていた本を返しに魚住が訪ねてきて(看護士の仕事はどうした)、水のトライブの回想シーンへ。
まず剣が蘭とカミクジラ島へ宿泊した時のことを思い出しつつ、「カミクジラ島を襲った隕石とともに地球に来たのがインパクターだったよね」と回想の口火を切ります。
……口火を切るのですが。
ええ、まあ、セイザー達は時系列を知らないからそう思っても仕方ないんですけどね。
むしろインパクターがやって来てから呼んだんですよ、隕石。
そうです、やけに捨て身な作戦だと思ったものです。(詳しくはその時の感想をご覧になってください)
まあ、この辺は特に捏造もなく反町の出現から辰平の変身など水のトライブ初期の思い出が語られます。
そして結局のところインパクター星人のおかげでダイセイザーをゲットできたよなーというオチを経て、魚住のひと言。
魚住「でも……辛い勝利でしたね」
そして当然のごとく、女性陣3人がルシアを必殺技でぼっこぼこにのしたシーンは省略されてます。(遠い目)
んで、締めは天馬のロギアは最後まで誇り高い軍人だったな発言。
友達発言とかぶちまけてくれちゃってて、ぜんぜん軍人ぽく見えませんでしたけど。
さて、一通り過去を振り返り終わったところで、再び画面は堀口博士たちに。
ようやく前回のロギアの台詞を思い出したのか、宇宙連合こそグランセイザーを抹殺して地球を侵略しようとしてるんだ、と土方女史の発言を否定する堀口博士ですが、ここで何故か土方女史が戦闘員を召還。
実は土方女史は宇宙連合から送られてきた新たな宇宙人に身体を乗っ取られていたのです!
新しく現れた宇宙人は、土方女史の暗い心(多分、堀口博士に対する対抗心や嫉妬心)に隠れて身体を借りていたと言います。そして戦闘員に押さえつけられた博士が「グランセイザーを手放せば地球に本当に手を出さないのか」と質問すると、「私が信じられませんか」と質問に質問で返します。(失礼)
そもそも戦闘員に押さえつけさせといて、どう信用してもらおうと言うのか
「ああ、信じられんな。信じてほしくば証拠を見せろ」(意訳)という堀口博士に対し、「やはり、貴方は騙せないか」と今度は堀口博士を乗っ取って、グランセイザーの内部分裂を誘おうとする宇宙人。
堀口博士、大ピンチ!
しかし、その時さっそうと現れる研究所に集まっていたセイザー達!
どうやって嗅ぎ付けたんだ、お前ら。
ついさっきまで和やかに回想話してたくせに……!
あっという間に戦闘員を倒し、宇宙人にいつの間に練習したのかフォーメーション攻撃をぶちかまし(一体の敵に対し全員でとび蹴りを同時に当てる)、敵はほうほうの体で捨て台詞を吐いて逃げていきました。
……なんだか、とっても戦隊モノっぽい敵さんです。オーケー、これならどうあがいても恋愛話は発生しないだろ。
かくして、これからも負けられない戦いは続くが皆で力を合わせれば大丈夫さという結論に達して、本日の総集編+αは終了しました。
総評:
『総集編』の意味から学び直して下さい。
捏造は程ほどにー!