第18話 最強の敵! ガントラス



 では早速、18話目にして最強の敵が現れてしまったグランセイザーのレビューです。



 まんまとガントローラー(ガントラスを動かす操縦桿……内容は鉄人28号を動かすのと同じ)を手に入れたロギアが、ガントラスを起動させた続きから始まります。
 乗り込む形状ではなく、ガントローラーで外部から操作――ぶっちゃけ、ラジコンと同じ原理で動くガントラスを動かし、その威力にご満悦のロギア。インパクター星人を追いかけて来た天馬と魚住(二人とも変身済み)ですが、さすがに巨大ロボ相手にロボなしで挑むほど身の程知らずではありませんでした。


 一瞬、カリン(アケロン大星獣)の時にロボに乗っての攻撃より、セイザー(もちろん人間サイズ)の必殺技攻撃の方が威力があったような気がしなくもない過去が脳裏をよぎりましたが。


 まあ、まさか最強の敵と副題にまで持ってきた相手に、普通の必殺攻撃が有効などということはないはずです。…………たぶん。もしかして。ひょっとしたら。

 天馬は魚住を和久井博士の元へ向かわせ、反町たちを呼ぶよう、指示します。同時に、未加(と堀口博士)にガントローラーが奪われたことを連絡します。
 すぐに向かうという未加と、剣を呼ぶという堀口博士




 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。







 で、風と大地に連絡は?





 …………結局、ガントローラーを奪われ、ガントラスが敵の手に渡ったという情報が風と大地のトライブに伝わった形跡はありませんでした。


 ――そういえば、天馬はインパクター星人の人類抹殺計画の内容がガントラスを太陽に突っ込ませて太陽を爆発させることだという詳細を話していません。
 天馬には内容が難しすぎたんでしょうか。(酷)
 その内容が伝わっていれば、堀口博士ももうちょっと焦ってくれるのではないかと思ってみたり。
 太陽が爆発なんてとんでもないことですからね。暢気に管轄区域内で働いている場合ではありません。

 その頃、ほっぽり出されていた和久井博士はふらふらしつつも自力で建物の外に出ていました。変身を解いた魚住が着いたのと同じ頃、捜索中一旦スルーしていた反町と辰平も監禁場所だった建物前に辿り着きます。
 魚住は和久井博士のことしか口にしていませんでしたが別ルートで内容が伝えられていたなり、天馬が未加にした連絡が実は他のセイザーにもだだ漏れだったりしたのでしょう。
 車の運転を辰平に任せ、反町は天馬の応援に駆けつけました。駆けつけた瞬間、ガントラスにいきなり必殺技をぶちかました時にはダメだ、こいつ、と思わなくもなかったですが。

 天馬に対し、「ひとりで突っ走るな」と説教する反町。「俺たちは仲間なんだから」と互いに協力し合わなければならないと語ります。




 つい最近まで、仲間であることを否定していた人の台詞とは思えませんでしたが。……セイザーだしな……


 ロギアは飛んで火にいる夏の虫とばかりに、天馬と反町をガントラスで倒そうとしますが、突然ガントローラーが壊れてガントラスはうんともすんとも言わなくなってしまいました。




 ――ガントローラー(操縦桿)がなければまったくうんともすんとも言わない最終兵器って一体……


 ガントローラーが壊れた理由は至極簡単なことでした。
 なんと、和久井博士はガントローラーのチップを偽者(未完成品)とすり替えていたのです!










 あれ? ちょっと待ってください。





 和久井博士はつい先ほど、攫われて脅されてガントローラーの修理を終わらせました。
 たとえ、チップ(ホンモノ)は事前に完成させていたとしてもですね、いつ、偽者を作ってすり替えたんだ……?
 更に問題は、その偽者チップガントラスを短時間とはいえ起動できたということです。一応現代人の文明よりはるかに進んだ超古代人の文明の代物という設定のはずなんですが……








 ……何者ですか、和久井博士……


 ぐったりと危篤状態の和久井博士は、病院まで送られている途中、魚住に完成品のチップらしい物体を渡します。しかし渡した物体が何かを説明できるほどの余力はなかったらしく、魚住達にそれが問題のチップだということは伝わらずじまいです。
 搬送された先の病院はもちろん、魚住の職場にして伝通院の職場でもあるあの病院です。
 やっぱりガントラスの事情が伝わっていなかったらしい伝通院が和久井博士の担当となりました。治療は無事終わったものの、今夜が峠だという和久井博士の容態。そこに迫る(本物のチップを狙う)ルシアの姿。

 その頃、動きを止めたガントラスの前で困惑中の天馬と反町に、未加も合流しました。後から剣も来る、と伝えます。




 で、他のトライブは……?

 ――なんとなく、セイザーたちはもうちょっと協調性とかを大事にした方がよいのではというか、セイザーとしてどういう自覚をもっているのか聞いてみたいと申しましょうか……


 それはともかく、ガントラスが現れた時とガントラスが天馬達に攻撃したときの現象が隕石地震ということで話題になってしまったらしく、国防省が報道規制を敷く中、堀口博士が入院中の病院は特殊部隊の警護の一つもない状況です。



 確かに国防省の特殊部隊は全然役に立ちませんがだからってまったくの無警戒というのもどうかと……
 セイザー任せのつもりなんでしょうか。



 とりあえず、堀口博士に現状を報告した辰平が病院で待機ということになり、ああ、それなら安心かな、と思った矢先でした。(仮にもセイザーですしね、辰平)

 今夜が峠の割りに、目を覚ましてからはかなり意識もしっかりしており、魚住と会話を交わす和久井博士の病室に、






 堂々と現れるインパクター・ルシア。(不意打ちするために物音立てないように入ってきましたが)








 辰平……!!!



 なんなんですか、何あっさり病室への侵入を許しちゃってるんですか。

 まさか現場に待機してるだけで警備はまったくしていなかったのか……!?





 男を上げるチャンスを自分で無駄にしてどうする……


 不意打ちだったこともあり、魚住はあっさり気絶させられてしまいました。


 さて、その頃の天馬達です。
 ルシアが和久井博士の元に向かったことを知らない天馬は、剣もくれば4対2だから楽勝だと息巻いてロギアたちの探索をしています。天馬達を撹乱させるのが目的のロギアは、宇宙人らしく姿を見せるがすぐに瞬間移動という技を駆使して天馬達を翻弄します。
 そしてあっさり翻弄された天馬達はあっさり3人が散り散りになってしまいました。(だから単独じゃ見つけても勝てないだろ……)
 しかし、ロギアはよりにもよって未加を真っ先に襲います。
 おそらく、格闘戦では松坂に次ぐ実力を持っていると思しき未加です。当然、ロギア相手にけっこういい勝負を繰り広げ、天馬達にロギアが現れたことを知らせます。


 再び場面は病院に戻り、なぜか屋上で和久井博士にチップを渡せと迫るルシア。そんな近場では当然魚住が追いつきます。辰平の姿は影も形も見当たりませんが。
 重要な場面でことごとく席を外したり話を聞いてなかった割に、チップの存在に気付いたらしい魚住がチップを渡すから博士を放せと交渉し始めます。




 ……そうだよな、正義の味方じゃチップを破壊されたくなければ和久井博士を返せという逆脅しはできないよな……


 そしてやっぱり、和久井博士と交換にチップをルシアに渡してしまう魚住なのでした。





 素直に和久井博士を返すルシアもどうかと思いましたが。



 インパクター星人って意外と紳士……?


 チップが戻ったことで、ガントラスは再び起動してしまいました。しかし今度は先ほどと違い、剣も合流した炎のトライブは自分たちのロボを呼びます。宇宙空間を遊泳中のクラウドドラゴンから炎のトライブのロボが……








 ――――あれ?









 クラウドドラゴンの収納スペースが増えてる……!?



 リヴァイアサンが尻尾の先にくっついているのではなく、ちゃんと台に乗っている……!!


 いつの間に増やしたんだ。


 さすが超古代文明……あなどれません。



 かくしてあなどれない超古代文明の遺産同士の戦いが始まりました。まず天馬(の乗ったロボ)がぼろぼろにやられた頃3人揃った水のトライブもリヴァイアサンを呼び、反町が乗り込みます。
 天馬に一人で突っ走るな、協力して戦うぞと言いつつ、どうみても天馬を囮にしてガントラスに攻撃を仕掛けているようにしか見えない反町です。
 しかしそこまでしても、そして必殺技を発動しても無傷のガントラス。炎と水のロボはぼろぼろにされ、








 自分たちの勝ちだ、と止めを刺さずに去るインパクター星人。







 どうやら、突然手に入った強大な力を持つ兵器に興奮した余りすっかり目的を見失ってしまったようです。





 インパクター星人・・・・・・本当に人類抹殺する気があるのでしょうか。



 ガントラスを奪われ、大敗したにも拘らず、まるで何事もなかったかのように和久井博士の病室に場面は変わります。
 屋上でルシアと対峙したとき、初めて和久井博士が実の父親だと知らされた魚住と、どうやら峠は越えたらしい和久井博士が親子の絆を深めて、今回の物語は幕を閉じました。






 いや、そんなほのぼので終わらされても。




 ……地球、ピンチなんですよね……?
 (自信がなくなってきた)















 ところで、今夜が峠と言われていたわりに、やけに意識がはっきりして物をしゃべれて、ルシアに攫われ乱暴に扱われても結局事なきを得た和久井博士を見て思ったことがひとつ。









 伝通院、ホントに天才なのか?





 どの辺が峠だったんだろう……





戻る